【10代、20代のうちに読んでおきたい本おすすめ10選】純文学小説、ノンフィクション、教養
僕自身20代後半戦ということで、備忘録も兼ねて、おすすめ10冊を選びました。偏りはあれども、他の本、作家が紹介しているなど教養としてぜひ読んでおきたい必読書だと思います。文学、ノンフィクション、学問に分けました。そのうち海外編もやりたいと思います。
純文学
山月記・李陵
1942年発行の短編小説。中国が舞台で、詩人の夢破れて虎になった秀才の李陵の話。無駄のない漢文調の文章はめちゃくちゃかっこいい。己の虎になった理由を振り返っての「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」という言葉は誰もが記憶に刻まれているはず。
掲載している教科書も多いので、知っている人も多いと思うが、ほかの作品とも合わせて、ぜひもう一度読み返してほしい。
金閣寺
1956年発行、近代日本の代表作家の傑作長編小説。学僧が金閣寺の美しさに取りつかれ、寺を放火するまでの物語。戦後の時代とともに吃音症のコンプレックスを持つ主人公の、屈折しているというか矛盾した心理描写に圧倒される。
海辺のカフカ
現在の日本を代表する作家の一人。アジア圏で初のフランツ・カフカ賞、エルサレム賞といった世界的な賞を受賞し、毎年ノーベル文学賞の最有力候補として紹介されている。賛否があり、毛嫌いする人も多いが、ここまで有名になったんだから、数冊は読んでも損はない。
カフカは2002年に発行された10作目の長編小説。世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 (新潮文庫 む 5-4)やねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)などのように村上春樹らしさもあるが、それよりも初めての人は読みやすい印象がある。
ノンフィクション
もの食う人々
著者が共同通信現役時代、実際に世界中を旅して書いた。後進国バングラデッシュの首都ダッカで売られている残飯、ポーランド・ワルシャワ炭鉱のスープ、ウガンダのバナナの蒸し物など世界中の食べ物を実際に食べることを通して、貧困や資本主義のひずみを考える。
世界の側から、しかも「食」という根源的なテーマから見ると、もっと生々しい日本の姿が見えてくる。姉妹本に反逆する風景 (鉄筆文庫)
誘拐
元読売新聞記者で、2004年に亡くなる。1963年の吉展ちゃん誘拐事件を題材とし、警察の捜査や犯罪被害者、高度経済成長期の日本を取り扱う。細部にこだわった淡々とした筆致で物語が進む。
ノンフィクションの最高峰ともいわれ、「事実は小説よりも奇なり」といわれるいうように、人間や社会の面白みが伝わる。不当逮捕 (講談社文庫)も有名。
学問、その他
文明の生態史観
【文化人類学】調査旅行を通じて、文化人類学のパイオニアといわれる著者が文明の新しい見方を示した。第一地域と第二地域と大雑把に分けて、文明について考察している。いろんな本で文明の生態史観では~というのを見るほど、多大な影響を与えている。あまりに有名なので、教養として一度は読んでおきたい。知的生産の技術 (岩波新書)もものすごく有名。
忘れられた日本人
【民俗学】1930年代から長年にわたってフィールドワークした民俗学者の代表作。時代の経過とともに忘れられていくような、被差別部落や、集落の風習など庶民の生活を伝えている。宮本常一が記さなければ、何世代か後には忘れられていったのだろうと思う。どの本にものっていないような生の庶民の風習がわくわくする。山に生きる人びと (河出文庫)もおもしろい。
昭和史
【歴史】今の20代のほとんどは平成生まれ。全然ぴんとこないが、第二次世界大戦開戦から戦後の高度成長期までの昭和そのものが今の時代を形作っているのだと実感する。日本の総理大臣って薩摩、長州出身がいまだに多いってすごいよね。安倍総理は長州出身だよね。
知の技法
【知の技法】東大生のテキストに使われている。論文の書き方、資料の集め方、いろんな物事に対する考え方の手法を紹介している。大学で勧められたが、勉強する上でとても参考になった。
日本の作文技術
【文章論】元朝日新聞記者が書いた文章作法で、多くの本でも紹介されるなど最も参考になるとの呼び名も高い。近年あるような感覚的な文章の書き方でなく、文章一つ一つをばらして詳細に分析して、傾向を導き出しているので参考になる。読点の打ち方にも、ちゃんと打ち方がある。
まとめ
【純文学】
【ノンフィクション】
【学問】
▼本関連はこちらもぜひ見てください▼