【フィンランド】ムーミンはとぼけた顔して名言吐く
僕は迷っていた。バルト三国のどん突きエストニアまで来て、このまま引き返してポーランドに行くのか、それともフィンランドに寄るのか。そんな時、フィンランド行きを後押ししてくれたのは、三十歳過ぎの男の日本人の旅人だった。フィンランド生まれ、みんな大好きムーミンだった。
フィンランドは物価が日本並みに高いらしい。しかも船に乗るので余計に高くつく。予定にも入っていない。さらにいえば、めっちゃ北、なんか寒そう。防寒着を持っていない。
そんなとき、である。出会った旅人のまるさんがエストニアで「一緒にムーミンランド行きたかったね!」と言ってくれたのです。ネットでムーミンの言葉を見つけたのです。ムーミンはあんなとぼけた顔して、名言吐くことで有名なので、調べてみてください。
以下、頭の中のムーミンワールド
ムーミンが僕に諭すように言いました。とぼけた顔をして
もしいまぼくがひきかえしたら、もう二度とここへこようという、勇気はおこらないだろう。ぼくは一生のあいだしげみの外をめぐりながら、中にはいる勇気がなかったんだと、自分にいいきかせることになるだろう。
なあムーミン。君の言いたいことはわかる。でも、僕は節約したいんだよ、わかるだろ?ムーミン。フィンランドは僕には高すぎる。それにフィンランドは寒いだろ?
横にいたスナフキンがつぶやくようにいいました。
何か試してみようって時にはどうしたって危険が伴うんだ。
物価と寒さの壁を乗り越えてこそ、ってことかい、スナフキン?君の言うことは理解できる。でも踏ん切りがつかないんだ。そういう時ってあるだろう?
そういいながらも、2人の説得で僕の心はフィンランドに傾き始めていました。
そして、とつぜん現れたムーミンパパが、とつぜん叫びました。
人生は一度だけなんだ!
すぐに船で翌日のフィンランド行きを26ユーロで購入し、半日かかるサンタ村のバス往復チケットを買い、フィンランド・ヘルシンキからポーランド行きの航空券を買い殴りました。予定は決まった。一泊目はマックか駅で野宿、2日目はバス、3日目はバス、4日目は空港泊。その間にムーミンワールドとサンタクロースの村に行く。ムーミンに会いに行くんだ。
そして僕は翌日、2時間半掛けて、フィンランド・ヘルシンキに到着した。青空広がる快晴。船の玄関口でいきなり出迎えてくれたのが、こいつ。国のイメージを確実に損なう、「しょんべん太郎」の設置を許したフィンランド人の懐の深さにまず、恐れ入った。
見るがいい。赤い布をかぶせられても、平然と屹立する木々たちを。到着30分後で僕はフィンランドが好きになった。
もう一度いう。僕はフィンランドが好きになった。
「僕がフィンランドが好きになった」といったのはこれで二回目である。そして「僕がフィンランドが好きになった」といったのはこれで二回目である、といったことにさして意味はない。ただ言ってみたかっただけである。
次は夢の国、ムーミンランド。
フィンランドの前はバルトでした。