読み物、保存版
例えばミャンマーの化粧の一つである「タナカ」は、特定の文化感覚に基づく美しさだと思う。欧米の美しさに慣れた僕らにとってみれば、ほっぺに白粉をべたっと塗る化粧はちょっと理解できない美しさだ。下唇に大きな穴を開けて皿をはめ込んだ迫力の民族、ム…
故人の絵を記したルーマニアの陽気なお墓、石像が美しいウクライナの墓地。どういうわけか墓地というものに興味がある。イスラム教国のスーダンでは、墓地の中心で踊り狂う「ジキルダンス」という行事があるそうだ。これが予想を超えて素晴らしかった。
海外に出ると、日本では見かけないような本格的な物乞いを見掛けたり、思わぬ差別の現場に出くわすことが珍しくない。それを目撃することが「海外に行って価値観が変わった体験」とかなんとか、いう人もいる。価値観が変わったっていう表現はお客様っぽくて…
アウシュビッツ強制収容所を訪れた直後に読み始めたヴィクトール・E・フランクルの「夜と霧」を読み終えた。思っていた本と全然違った。ホロコーストについて記述した本なので、強制収容所の凄惨な描写が中心だと思いきや、人に対する優しくも厳しいメッセー…
「ある朝、グレゴール・ザムザが夢から覚めると、自分がベットの上で一匹の巨大な毒虫になっていることに気付いた」。フランツ・カフカにぴんと来なくても、代表作の「変身」のこの書き出しを知らない人はいないでしょう。せっかく立ち寄ったので、カフカ出…
7月末、相模原市の障害者施設で殺傷事件を起こした容疑者は、ナチス・ドイツの思想に受けたという。「恐ろしい考え」と切り捨てたらそこでおしましだが、「障害者は生きる価値がない」という優生思想は、70年以上前の時代特有のものでなく、弱い心を持っ…
旧ソ連、ウクライナのチェルノブイリ原発事故の現場を巡るツアーに参加してきた。2発ぶち込まれ、原発を一基ぶち壊した日本人として、ぜひ参加しなければ。ツアーの様子を記します。
福島第一原発事故が発生した5年半前は大学生だった。当時は「おお、すごいこと起こったな」くらいなもんで、放射能もミリシーベルトといわれても全然ぴんと来なかった。たぶんほとんどの人がそうだったんじゃないかと思う。チェルノブイリ原発事故ツアーが…
「神は何人だ?」と黒づくめでシルクハットをかぶったおっさんに腕をつかまれ、思わず逃げそうになった。
村上春樹のエルサレム賞受賞演説の「壁と卵」を、英国の作家、ジョージ・オーウェルの1984年と1Q84から考える。続き
村上春樹はエルサレム賞を受賞した2009年、エルサレムで「壁と卵」のメタファーを使った受賞演説を行いました。せっかくエルサレムにいるので、演説とパレスチナ問題について考えてみます。
小説が多いです。作家の高橋源一郎は小説について「いまそこにある小説は、わたしたち人間の限界を描いています」と書いています。架空の状況に架空の主人公を飛び込ませて、行動させるのが小説です。現実では考えられん状況に追い込む。江戸時代のタイムス…
皆さんはミャンマーと聞き、何を想像しますか。アウンサンスーチー?軍事政権?語感から猫っぽいと思われる方もいるかもしれません。僕も訪れる前はそんな単語しか浮かびませんでした。
旅の大きな悩みの一つは荷物の選択だ。持ち物は最小限に、それでいて快適な旅を続けるためにはある程度の技術が必要だとも思う。でも、どんなに荷物がかさばっても、全く無駄であっても、旅には持っているべきものもある。
インターネットの旅行サイトでは愛国教育テーマパークって紹介されていましたが、中国ではどのように展示しているのか、見てきました。