本
海外に出ると、日本では見かけないような本格的な物乞いを見掛けたり、思わぬ差別の現場に出くわすことが珍しくない。それを目撃することが「海外に行って価値観が変わった体験」とかなんとか、いう人もいる。価値観が変わったっていう表現はお客様っぽくて…
海外文学は難しい。文章もちょっとかたいし、なにより名前がややこしい。アレクセイ・フョードロウィチ・カラマーゾフって覚えれるわけないやん。そういうわけで、途中で断念してしまう人も多いのでは。しかし、日本文学だけ読んでて、数多ある海外作品に手…
アウシュビッツ強制収容所を訪れた直後に読み始めたヴィクトール・E・フランクルの「夜と霧」を読み終えた。思っていた本と全然違った。ホロコーストについて記述した本なので、強制収容所の凄惨な描写が中心だと思いきや、人に対する優しくも厳しいメッセー…
「ある朝、グレゴール・ザムザが夢から覚めると、自分がベットの上で一匹の巨大な毒虫になっていることに気付いた」。フランツ・カフカにぴんと来なくても、代表作の「変身」のこの書き出しを知らない人はいないでしょう。せっかく立ち寄ったので、カフカ出…
7月末、相模原市の障害者施設で殺傷事件を起こした容疑者は、ナチス・ドイツの思想に受けたという。「恐ろしい考え」と切り捨てたらそこでおしましだが、「障害者は生きる価値がない」という優生思想は、70年以上前の時代特有のものでなく、弱い心を持っ…
僕自身20代後半戦ということで、備忘録も兼ねて、おすすめ10冊を選びました。偏りはあれども、他の本、作家が紹介しているなど教養としてぜひ読んでおきたい必読書だと思います。文学、ノンフィクション、学問に分けました。そのうち海外編もやりたいと思い…
不眠大国日本。眠らない夜の過ごし方は人それぞれですが、誰にも邪魔されない静かな夜こそ、心にしみる本があるはず。ランキング形式で紹介します。
村上春樹のエルサレム賞受賞演説の「壁と卵」を、英国の作家、ジョージ・オーウェルの1984年と1Q84から考える。続き
村上春樹はエルサレム賞を受賞した2009年、エルサレムで「壁と卵」のメタファーを使った受賞演説を行いました。せっかくエルサレムにいるので、演説とパレスチナ問題について考えてみます。
小説が多いです。作家の高橋源一郎は小説について「いまそこにある小説は、わたしたち人間の限界を描いています」と書いています。架空の状況に架空の主人公を飛び込ませて、行動させるのが小説です。現実では考えられん状況に追い込む。江戸時代のタイムス…
ブログ立ち上げに当たり、タイトルをつけるときに、いいタイトルはなんぞやって考えてみました。ブログにしても新聞記事にしても小説にしても、最初に読んでもらうきっかけはタイトルが魅力的であること。