元新聞記者の「世界道中、旅の途中」

元 新聞記者 世界一周旅記録

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【エジプト】三大うざい国!あれ、全然うざくない

 エジプトと聞き、何を連想しますか。ピラミッド、ラクダ、ミイラ。一大観光立国であるとともに、実は、世界三大うざい国の一つでもある。そんな不名誉な枕詞を付けられているが、僕はこの国が一瞬で気に入った。民度の高いヨーロッパゆるゆるの旅を終え、緊張と期待のアフリカ編の始まり始まり~。ちょんちょん

 

 あれ、全然うざくない

 空港に着いて、外に出ると、アラブな感じのおっさんがたくさん待ち構えていた。久しぶりの客引きだ。こちとら、インドの客引きとも戦ってきた身だい。かかってこい。
 客引きのおっさん「タクシー?」。「ノー!バス」。「オッケー」とかさらりとバス停を紹介してくれる。あれれ。マーケットを歩いても、しつこい人が少ない。

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 インドの場合

 もう一つの「うざい国」のインドのバターンを思い出してみる。 

 「首飾りいらない?」「いらない」。
 「オッケー!20ルピー?」「ノー」。
 「いくらならいるの?」「いや、そもそも、いらないし」。
 「分かった。10ルピーで手を打とう」「ただでもいらんねんて。どっか行けぼけ」。
 「おい、その態度はないやろ、日本人」「ごめんね。じゃあね」。
 「一個ただでやるから、二個買ってや」「わかった」。
 

 と、こうなる。それと比べると、あれ、全然うざくない。むしろいい奴。

 

 みんなノリノリ

 しつこい人が少ない一方で、カイロの中心部を歩くと、みんなノリノリだ。手を振ると、笑顔で返してくれる。飲食店のおっさん、駅のおっさん、道端でたばこをふかす青年、みんなが「ウェルカム、エジプト」って自然に言ってくれる。

 いきなり踊ってみると、しつこいくらい踊り返してくる現地の人。お土産屋なのに、踊るだけで商売を忘れてしまう人もいるほど。日本はもちろん、ヨーロッパではこうはいかない。

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 現地人同士の距離も近いし、我々外国人との壁もない。どうしてなのだろう。感想程度に、少し考えてみる。

 思ったのは、僕らと比べて、生活するにはコミュニケーションが必要な場面が格段に多いといううこと。
 例えば、バスに乗るとする。バスには時刻表がないし(あるかもしれないけど、確実に機能していない)、バス停もあってないようなもの。バスにも行き先が書いていない。目的地に到着するには、バスの乗り場を聞き、バスの行き先を聞き、ぎゅうぎゅう詰めのバスに乗ったら、席を融通し合う。お金は運転手か係員に直接支払う。

 道路には車線も横断歩道もない。車、歩行者同士が常にコミュニケーションを取り合う必要がある。危ない目に合うと、運転者は素直に謝ってくれた。

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 システマチックに整備がされている日本ならほとんど人を話さずに目的地に着くことができる。いろんな場面で知らない人とも会話しなければいけない。そういう他人への壁がほとんどない。

 

知らない外国人をもてなすエジプト人

 ピラミッドに行く途中、ヒジャブをかぶった女性に突然、こっちこっちと家に入るよう促された。家の大黒柱っぽいおっさんが「まあ、座れ」とまるで十年来の友達のようにもてなしてくれる。屋上からピラミッドを見せてもらい、お茶と料理をごちそうしてくれた。

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 おっさんが「おれの客人や」というがごとく、家族総動員でもてなしてくれる。見ず知らずの通りがかりの日本人と手厚くもてなしてくれるなんて!!これはもう、先進国、途上国以前に、エジプト人に備わった気質なのかもしれないとも思ってしまう。恐るべしピラミッドパワー。

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 「途上国の子供の笑顔は生き生きしている」とかいう人は、現地では衛生状態もインフラも整っていないし犯罪も格段に多いのに、いい部分だけ見ているような気がして、本当にうざったい。

 しかしながら、先進国では失ってしまったのかそれとも元々なかったものなのか分からないけど、「先進国には確かにない大切なものがあるなあ」と久しぶりの途上国ならではの埃っぽいガヤガヤした人ごみにまみれて思ったのだった。

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