元新聞記者の「世界道中、旅の途中」

元 新聞記者 世界一周旅記録

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【チェコ】「変身」のフランツカフカのルーツを辿る。プラハにて

 「ある朝、グレゴール・ザムザが夢から覚めると、自分がベットの上で一匹の巨大な毒虫になっていることに気付いた」。フランツ・カフカにぴんと来なくても、代表作の「変身」のこの書き出しを知らない人はいないでしょう。せっかく立ち寄ったので、カフカ出身の地チェコプラハで足跡を辿った。

 

※情報は一番下にまとめました。

 フランツ・カフカについて 

 1884ー1924。チェコプラハ出身のドイツ語作家。ユダヤ人。保険局員で働きながら執筆活動、長年闘病した末、結核で死去する。孤独感や不安、不条理を題材に扱った作風で知られ、代表作に、変身、審判、城。日本では、カフカから影響を受けた村上春樹が2006年、フランツ・カフカ賞をアジアで初めて受賞。

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 読んだことがない人がいないくらい有名な「変身」は、不条理が主題の一つとなっているかわいそうなお話。朝起きたら毒虫なっていて、今まで養ってきた家族から疎まれてしまい、りんごを豪速球で投げられしまうなんて。無実なのに死刑宣告される「審判」もしかり、カフカの小説はなんとも理不尽な筋の話だらけ。

 暗い話が多いので、僕はチェコについて日が差さないどす暗いイメージを持っていたけど、広々とした開放的な街並みで明るい音楽が聞こえてきそうな雰囲気だった。これまでの東欧、中欧の中でも一番美しいかも。

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プラハカフカゆかりの地巡り

 まずは博物館で仕入れた地図をご覧あれ。33まで番号が振ってあるプラハ全域の地図は、全てカフカ関連の場所。モニュメントや、一時的に住んでいたアパート、お気に入りの散歩道など、熱狂的なファンも楽しめそうだ。地図は日本語版もある。地図とインターネット情報を頼りに巡る。

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カフカミュージアム

 まずはカフカミュージアムから。中は撮影禁止なので撮れませんでしたが、カフカ直筆の手紙(恋人ができると、一日に二度送った日もあるくらい書きまくった!返事がないと催促したり理由を聞く手紙も送ったらしい!あな恐ろしや)や、当時の発売発売された「変身」の表紙(カフカは毒虫が表紙に描かれることを好まなかったそう)、カフカが描いた絵などが展示されている。展示もライトアップや音楽があって、工夫が楽しい。

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 モニュメントがかっこいい。「K」。博物館は2005年にでき、意外にも新しい。カフカ賞も2001年創設なので、チェコではカフカ熱が高まっているのかな。

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 博物館前にある広場にある小便兄さん。小便兄さんは腰とあそこが常に動いている。それを撮影する美女。カフカとは関係ないよね。

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カフカのモニュメント

 中欧最古のユダヤ人街にあるモニュメントを訪れた。カフカ賞を受賞すると、このモニュメントのミニチュアが贈られるのだとか。どんな意味があるんだろう。調べてもわからなかったので、誰か教えて。でも、不気味な感じはカフカの作風を想起させますね。

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 これはカフカの巨大なモザイク。かっこいい。待ち合わせ場所はカフカ像ってかっこいい。 

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カフカのカフェ

 カフカが通ったカフェもある。中は閑散として客が一人もいなかったが、古びた壁がいい雰囲気。

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  Cafe Louvre。アインシュタインプラハ滞在中に訪れたそうです。

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 カフカは実際には通っていないがフランツ・カフカカフェもある。隣にはカフカ関連の書籍を集めた本屋さんも。プラハ市民がいかにカフカを誇りにも思っているかうかがえる。

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カフカのお墓

 最後にカフカのお墓を訪ねた。 

 生前は数冊の著書しか出版されておらず、世界的な評判を集めたのは死後になってから。保険局員、闘病の末、短い生涯を閉じたカフカの墓はプラハ中心から少し離れたユダヤ墓地で、父親、母親とともに眠っている。

 死後の時代はいわずもがなナチスドイツによるホロコーストがあった。ユダヤ人姉妹、友人らはドイツナチスによる強制収容所で亡くなっている。

 土曜日は休日で、墓地は閉まっていて、外から眺めました。

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 第一次世界大戦に誕生したチェコスロバキアの首都であったプラハは、カフカの時代、ユダヤ人、ドイツ人、チェコ人が共存していたある意味いい時代だったそう。カフカの作風は父親との確執や社会との孤立感から影響を受けたというが、その後のユダヤ人の境遇を考えると、予知的でもある。

 地図を見ても分かる通り、カフカゆかりの地はまだまだたくさんある。ぜひ巡ってみてください。

旅メモ

プラハカフカ関連の場所。ほとんどが徒歩圏内で、一日あれば、紹介した以外の場所も十分見て回れる。

フランツ・カフカ博物館Franz Kafka museum

近くのお土産屋でチケットを購入する。あとから知ったが、日本語のガイドブックを貸してくれるかも。カレル橋のプラハ旧市街の逆側の近く。cihelna2b,Praha1

カフカの墓

地下鉄「ZELIVSKEHO」駅横にあるユダヤ人墓地。墓地内の区画は21。カフカの看板を目印に、正面から右手に250m歩く。土曜日は休みで入れない。ユダヤの休日にあたる金曜日もかも

▼Cafe Montmartre

Retezova7,Praha

 Cafe Louvre

Narodni22,110 00 ,Praha

▼Cafe Franz  Kafka

Siroka64,12,Praha1

▼モザイクのモミュメント

Cafe Louvre東側にある中規模の広場

▼謎のモニュメント

ユダヤ人街のスペインシナゴーグのすぐ横の小さな広場

※モニュメントは、Maps me でFran's kafkaを入力すると、モニュメントとして出てくる