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【ルーマニア・ウクライナ】観光地!?陽気な墓と美しい墓

 僕の家は田舎の例に漏れず、トラディショナルな家庭だ。墓参りは片道40分くらいかけて実際に参るのは数分程度。時間とお金がかかるだけで、どう考えても割に合わない。だけど実家に帰るたび、親が「墓参り行くけど、どうする?」って聞かれたら、行かないわけにもいかない。時には「墓参りいつ行く?」って自分から誘ったりもする。

 

 そんな墓参り好きの僕がルーマニアの陽気な墓と、ウクライナの東欧一美しい墓を巡る機会があったので、ご紹介します。両方とも観光名所になっているという不思議な墓地。お墓の行き方だけ知りたい人は一番下だけ見てね。

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 サプンツァ村の陽気なお墓

 ウクライナとの国境に位置するルーマニアのシゲット・マルマツィエイから約40分、車を走らせると、世界一陽気な墓で有名でサプンツァ村に到着する。なんの特徴もないのどかな小さな村だけど、青色の塔を目印に陽気なお墓がある墓地に進むにつれ、土産物屋と観光客が増え始める。

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 お墓観光っていうのは少し抵抗感があったけど、入場料金もちゃんと取ってくれるので、気兼ねなく堂々と観光ができる。青色が基調の木製の墓は、カラフルに彩られていて、とってもかわいい。絵は故人の趣味や仕事が描かれ、その下には故人の絵の説明のほか家族の人数などが記されているらしい。いくつかをご紹介します。

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 こう見ていると、牧畜や農作業、林業が多い。大体は職業を表していて、人生で職業というのはとても大切なんだなと思う。現在無職(笑)後は車にひかれた少女の絵もあって「いやいや、そこは好きなぬいぐるみを抱いている絵にしてあげようよ」と思ったけど、親族にもそれなりの考えがあるんでしょう。気になる。

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 どうしてサプンツァ村だけ陽気なお墓なの? 

 日本の灰色の墓石を見てもなんとも思わんけど、これを見るといろいろな人生があったんだなぁっと思う。知らない人だけど、絵があるだけでずいぶん親近感がわくもんだ。他人に人生に思いをはせるっていうのも不思議だ。

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 そもそも、こんな小さな村だけ陽気な墓があるの?っていう疑問がわく。なんとはじめたのは1人の青年。1935年に木彫り職人のイオン・パトラシュが「愛する人を失った人の悲しみが癒えることを祈って作った」のが始まりだそう。「派手な一枚の絵飾った墓にしようや」って提案するのって勇気がいりそう。いまではルーマニア有数の観光名所となり、墓のお土産も売られ、村を潤している。お墓で村おこし大成功!!!

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 ウクライナの東欧一美しいお墓

 次は打って変わって、ウクライナ世界遺産の街・リヴィウの東側にあるリチャキフ墓地に。ここも入場料を払うと、美しい銅像の数々が迎えてくれた。東欧一美しいといわれるだけあって、洗練された美しさ。決まった墓の形がなさそうで、かなり自由なデザインを見比べるのが楽しい。

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 何年生まれて何年に死んで、とか。顔写真。銅像風。下の写真はカヌーかなんかの選手だったんだろう。日本もこんな多彩なお墓なら流行りの「終活」ももっと楽しくなるかもしれない。

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 細木おばさんはいいこといってた

 僕が中学生の時に流行ったスピリチュアの細木数子おばさんが「ご先祖様を敬いなさい」「お墓参りにいってるの!?」って芸能人に説教していたのが、なぜか記憶に残っている。「墓参りくらい同然だろ?うるせえな」と当時は見ていたけど、最近は墓参りって大事なんだなってなんとなく思うようになってきた。

 

 人は二度死ぬっていうのはよく言われる。一度目は肉体的、二度目は人に忘れられた時って。僕は自分のひぃひぃ爺ちゃんくらいになると全く何も知らない。でも、陽気な墓もリチャキフ墓地なら、会ったことない子孫でも多少は思いを馳せてくれるかもしれない。自分が死んでも子孫が営々と墓参りしてくれる思うと、死への恐怖は多少なりとも和らぐかもしれない。墓参りも大事だけど、まずは子孫を残さねば。

 

旅メモ 適当ですまん

 陽気な墓 シゲットのサプンツァ村の行き方 バスが一日数本出ているが、ルーマニアで英語ができる人がおらず、時間が全く不明なため、ヒッチハイクがおすすめ。ヒッチハイク文化が確立しているので、行き帰りとも二か所を結ぶ一番大きいメイン道路から10分程度で止まってくれる。宿の人もおすすめしていた。気持ちとして5レイほど渡すのが礼儀らしい。入場料は3レイ。

 リチャキフ墓地 リヴィウの中心部から路面電車が通っている。観光地図にも路線図が乗っているので、サルでもすぐにわかる。入場料は15フリヴニャ

 

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