元新聞記者の「世界道中、旅の途中」

元 新聞記者 世界一周旅記録

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【ネパール】カトマンズ観光つまみ食い2。ザ・ファスト・成仏グッズ始めました

 「はあ、今日も、仏の前に五体投地して祈るの面倒だなあ。大体五体投地して、本当に成仏できるのかよ」。遊びたい盛りのチベッタ君(6)はつぶやきました。

 「何言っているの!!両手両膝を地面に投げ出して、仏を礼拝するヒンズー教の最高の礼拝方式『五体投地』を毎日しなければ、成仏できないわよ」。きょうも説明口調のお母さんに怒られて、モンキーテンプルといわれる世界遺産「スワヤンブナート」しぶしぶ寺院に向かいます。

  生き神のクマリの暮らし

 生神のクマリちゃんを見習いなさいよ。クマリちゃんは健康であり、すべての歯が欠けていなくて、菩提樹みたいな体で、牛のようなまつげ、獅子のような胸で、鹿のような足で、さらに死んだ水牛の首を見せられても、平然としているのよ。

 いつもお母さんは、隣町に住んでいて6歳でネパール・カトマンズの生き神に選ばれたクマリちゃんのことをほめます。

 「けっ、大体菩提樹のような体でいったいどんな体だよ。怖いわ」。チベッタ君は、普段はクマリの館に住んでいて観光客がお金を出すと、数分だけ姿を現すクマリちゃんに嫉妬しているのです。

 

 クマリちゃんはここから手を振ってくれます。団体客に紛れ込んで、あたかも自分もお金を出しているようなふりをして、会いに行こう。僕も数分だけ会うことができました。写真厳禁なので、ネットで「クマリン」と調べてみよう。

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 きょうもチベッタ君は五体投地

 朝もやがかかる中、寺院に行くと、面倒くさそうに、そして投げやりに、五体投地を繰り返す橙色の服を着た僧侶をたくさん見かけます。膝を曲げて、両手をついて、全身を地面に投げ出しては起き上がり、それをひたすら繰り返しています。進む距離は少し大きな芋虫ほど。ブッタの目の周りを時計回りに五体投地しながら回ります。「僕あの目苦手なんだよなあ、ずっとみられている気がして…」

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 なんでも五体投地は煩悩の数である108回も繰り返して行う人もいるとか。そんなことに毎日を費やしていたら、いくら人生あっても足りません。修行層のチベットは今日もうんざりした気持ちで、寺院で五体投地を始めました。次第に膝が擦り剥けて、腕も痛くなってきました。家でテレビゲームをしたいのに。

 


 くるくる。くるくる。観光客と思しき人が、なにやら車の車輪のようなものを楽しそうに、回しています。片手でくるくる。チベッタ君五体投地を中断して、観光客に尋ねました。「ねえ、そのくるくる回している車輪はなに?」

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ええっ!!! マニ車って何?

ええっ!!あなた修行僧なのに知らないの!!これはマニ車といって、中にお経が入っているのよ。くるくる回せば、お経を読んだことと同じ効果があるのよ。だからあなたの五体投地は全く意味がないんだから!」

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 「ええ!!そんな便利がものがあるなんて!!チベッタ君はきょうの五体投地を足早に終わらせると、お母さんに尋ねました。「ねえ、マニ車ってなに?あれを回せば、成仏できるの」

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 「ええ!!そんな便利なものがあるの!?というよりあなた何年も五体投地して気づかなかったの!すぐに買いに行かなくっちゃ」

 五分後、お母さんがうれしそうにチベッタ君にマニ車を差し出しました。「これを回せば成仏できるわ」「いくらだったの?」「お土産屋で200ルピーだったわ。(200円)」
 

 「ええ!!そんなに安いの。僕3歳の時から毎日、毎日五体投地しているんだけど」

 

 「細かいことは気にしない、気にしない。さっマニ車を回すわよ。くるくる」

 ザ・ファスト・成仏グッズ始めました、FIN

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 ネパールはこちら ⇊

 

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