元新聞記者の「世界道中、旅の途中」

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【インド】コルカタ・サダルストリート、怪しいインド人と断食する。

 

 ナマステ。突然ですが、「コルカタ サダルストリート 詐欺」で検索してみてください。このストリートで、流ちょうな日本語で話しかけてくるインド人は100%の確率でだまそうとしている、と出てきます。でも、本当はいい奴もいるんじゃないの?到着早々、一緒に遊んできました。

 

 

 サダルストリートは安宿が集まるバックパッカーの有名な通り。日本語でたくさんのインド人が話しかけてきます。大麻や、お土産とか売ってきます。

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 怪しさ隠さぬ日本語達者なインド人、詐欺なのか?

 コルカタから次の街に列車で行くため、外国人専用切符売り場に行く途中、イスラム教のインド人の青年がついてきました。21歳のカーン君っていう人で「日本人の友達いっぱいいるよ」「一緒に遊ぼうよ」って。「仕事なにしてるの」「何もしてないよ」、「毎日何してんの」「サダルストリートで外国人を見かけたら話しかけてるんだよ」。なんて怪しい。
 最初は、適当にあしらってたんだけど、けっこう話が面白い。「なんで他の宗教はいっぱい神様おんの?普通一人でしょ」って爆笑したり、「飲んで飲んで飲んで、飲み足りないから飲んでるの」とか飲み会のコールも知ってる。大阪弁しゃべってくれたり、九州弁になったり、とにかく面白い。チャイも地下鉄代も全部おごってくれた。

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木で歯ブラシするカーン
 

 そんなこんなでラマダン 開始

 イスラム教のこともたくさん教えてくれました。いまはイスラム教にとってラマダンという断食の月だそうで、話の成り行きで一緒に断食することにしました。なんでやねん。
 全然断食って知らんかったけど、日中だけ飯食わんっていうものではないらしい。カーンの説明では、未明の午前3時20分から夕方の午後6時半ごろまでが断食の期間。時間は日によって少しずつ違うらしい。その間は水もだめ、厳密にはつばも飲んじゃだめ。
 イスラム教街では午前2時から一時間だけオープンする飲食店もあって、みんな次の日に備える。それで断食が終わる夕方になると、親戚や友達が集まって、イフタールと呼ばれる断食終わり最初の食事をとる。前の国のバングラデシュもイスラム教国で、日中、ラマダンだから元気ない奴がやまほどいました。警察官なんか銃持って爆睡してました。(これはラマダンだから元気ないものと信じたいです)

 とりあえず、カーンと会った次の日だけ断食することに。断食っていっても、ただただ我慢するだけ。インドは今、ものすごく暑い。のどが渇くし、動いているのに朝、昼の食事抜きはかなり腹が減る。
 昼過ぎにカーンと集合して、暇つぶしにインド映画を見る。アクションとか動きがある映画なら分かるけど、ラブストーリーで全く意味わからず。ぽかーん。その横でカーンは泣いているという。200円くらい。

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 カーンの身の上話をすると、8人兄弟で、学校に行ったことがない。日本語、英語、ヒンズー教、インドのいくつかの言葉も話せる。話せるけど、一つも読めない。
 カーン語録が結構よくて、紹介すると、生まれ育った村について「電気はないよ。星が電気だよ」。これいい言葉。大麻を吸った感想が「足から手まで笑う」。これもすごい表現。危険な国の話では「その国でも生活してる人もいるんだから」。イスラム教は自分の親がとにかく大切で、自分の嫁より大切とか、家族大好きとかいろいろ教えてくれた。

 そしてとうとう午後6時半。カーンの親戚の店へ。「あれ?これ完全になんか買わされるパターンじゃないか」と思ったけど、全然、しつこくなかった。サリーやカシミヤのスカーフを「家族に買ってあげなよ」「荷物なるから嫌だ」「送るよ」「お金かかるからいやだ」。それくらいのやり取りでけっこうあっさりあきらめてくれました。 

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 断食終わりはみんな会食が楽しい

 イフタールの時間になると、店の前に絨毯をしき、果物や豆が並びます。いきなりカレーとか食うと、びっくりするので、イフタールは軽食です。決まりのナツメヤシの実一個食べて、果物とか好きなものを手で食べます。1日みんな我慢していただけあって、すごくうれしそう。十数時間ぶりの果物はめちゃうまでした。

 

真ん中の黒いのがナツメヤシの実。屋台街なら必ずといっていいほど、並んでた。 

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右下が酢の物、左がじゃがいもなどを揚げてる。右上は豆。

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 カーンはそのまま、チャイを飲んでお別れ。最後は日本人から金をなんとか巻き上げたろうっていう感じでくると警戒していたので、ちょっと肩透かしです。

 

 いいインド人もいれば、悪いインド人もいる、という結論に

 カーンの言葉。「百パーセント良い奴もおらんし、百パーセント悪い奴もいない」。確かにな、日本語で話しかけてくるインド人がまるで悪党のように言われておるけど、たぶん、百パーセントの奴っておらんよな。一見悪い奴も、そんなに悪意なかったり、実は友達にはものすごく優しかったりとか。①日本人と仲良くなりたい②日本人金もってるしなんか得あるかも③仲良くなってなんか買ってもらおう④盗んだろ⑤脅して金奪ったろう⑥レイプしたろ⑦日本人むかつくから殺したろ、とか、いろいろな奴がいると思います。たぶんカーンは②か③くらいやな。
 「インド人にだまされんな」って警戒マックスで街を歩いて、話しかけてくるインド人を無視するのは、本当につまらんと思います。旅行の楽しみも薄まります。もっと現地の人と交流しよう。でも、⑥とか⑦のインド人にあたったら、しゃれならんな。運悪かったと思って死にます。

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