【モンゴルツアー後編】移動する家、ゲルに泊まった。遊牧民はエコライフ
「となりのトトロ」には、大荷物を車に積んで一家で大移動のシーンが最初の方にありますが、モンゴルではまさに同じ光景を時折見かけました。そうです、移動住居ゲルのお引越しです。ゲルの暮らしは自然といい感じの距離のエコな生活をしていました。
ゲルを観察してみよう
まず高い位置から見ると、これで大体一世帯が暮らしています。ゲルが3棟あり、それを囲んでトイレ、夜間に羊を入れる柵が見えます。とてもコンパクト。
山を下りて、近づいてみます。1棟の大きさは高さ3・5メートル、横幅は6メートルくらい。太陽パネルがあり、テレビや携帯電話のためのアンテナも見えます。次は気になるトイレ事情を探ろう。
トイレは超原始的なのさ
まさか、驚くオーストラリア人のトム。穴を掘って、周りを囲んだだけの簡単な作りで、ハエがぶんぶん飛ぶ中、2枚の板に片足づつ置いて、気持よく用をたすことができました。落ちなくてよかった。
次は中に入ってみよう。
おお、意外に広い。天井が高く開放的な空間です。親戚や友達は気軽に中に入って、ソファに入ってくつろぐなんていう光景をよく目にしました。天井部分にある天窓から入る日光の入り具合で、大体の日時が分かるそうです。
中央には暖炉があります。暖炉の燃料はなんとラクダの乾燥うんこ。部屋を温めるだけでなく、その上に鍋を置いて料理もしていました。羊とやぎは1千頭を所有していて、全て食べてしまいます。毎日1頭食べても2年半くらい掛かる計算なので、肉を売るなどすると貴重な収入源にもなります。
ゲルはこう建てる
2世帯にホームステイし、いくつかゲルを見せてもらいましたが、デザインも作りもほとんど同じ。不思議に思っていると、後日、ウランバートルの市場を訪れた時、謎が溶けました。
ゲルの部品が売ってる。全部同じデザインや。結構、賑わっとる。工場で全部作るらしいです。ちょうどいい具合にゲルを作っている様子に出くわすことができました。こんな感じで組みたてていきます。
羊のフェルトをかぶせて、周りを布で覆って完成だ。大体2時間くらいでできるそうです。家が2時間でできるって。
超省エネライフ
とても冷えるモンゴルの朝と夜ですが、ラクダうんこを燃料にすると、めちゃくちゃ暖かい。というか、かなり暑い。暑くてパンツと半袖で寝ていて全部燃えてしまった朝方になると、逆にめちゃくちゃ寒い。補給するのも、夜中のため億劫になり、必死に布団にくるまりました。
電気を使うエアコンやストーブは時間と温度を指定して、しっかり温めくれる。当然のようですが、ゲル生活でエネルギーは有限だってことを実感しました。必要な分だけで生活している彼らは多分、僕ら日本人の100分の1くらいのエネルギーで生きています。かっこいい。
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