元新聞記者の「世界道中、旅の途中」

元 新聞記者 世界一周旅記録

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ブログタイトルの付け方教室。吾輩は猫であるみたいなタイトルつけたいな

 ブログ立ち上げに当たり、タイトルをつけるときに、いいタイトルはなんぞやって考えてみました。ブログにしても新聞記事にしても小説にしても、最初に読んでもらうきっかけはタイトルが魅力的であること。

 

  ブログ初心者なので、検索結果ページに多くヒットさせるSEO対策を無視し、「いかに読者の興味を引くか」に焦点を絞って考えます。

  

 小説のタイトルから考えた。 

 ●参考にする小説のタイトルは


 ①夏目漱石吾輩は猫である
 ②朝井リョウ「桐嶋、部活やめるってよ」

 ③住野よる「君の膵臓をたべたい」

 

①「吾輩はー」 

  まず「吾輩は誰なんだろう」ってものすごく気になります。

猫が言っていたら「猫がしゃべるわけねえだろ」って突っ込みたくなるし、

誰が見ても見た目で猫って分かるのに、自分のことをわざわざ「吾輩は猫である」って表明してしまっているちょっとイタイ猫の話なら読んでみたい。

 一人称を「吾輩」にしたのも絶妙だと思います。「僕は」「私は」「あたいは」「おいらは」「わしは」を当てはめると全然違う雰囲気になる。

 なんとなく上から目線で吾輩っていう猫は親しみがわくし、ユーモラスに文明評論したり人を観察する内容であると暗ににおわせています。 

 逆に人間が「吾輩は猫である」って言っていたらコスプレ好きの変態だし、どんな深い闇を抱えて「吾輩は猫じゃ」っていうようになったのだろうって、仮に猫の話でなくて人間の話でも、気になる。

 今では大抵の人があらすじくらい知ってる小説ですが、100年前の当時の人にしたら「どんな小説やろう」って多くの人が気になって手に取るだろうなって想像できます。 

吾輩は猫である

②「桐嶋ー」

 読んだことなくでも、タイトルを知らない人はいないくらい。これも「桐島って何者や」って気になります。どんな部活をやってたんだろうか。桐島が言っているのでなくて、桐島の友達が噂話みたいな感じで言っている雰囲気です。

 「人名、動詞ってよ」っていうのも、絶妙の並びで、気持ち良い。「団、旅に出るってよ」「山本、会社辞めるってよ」とかなんでも使えるし、「人名、動詞ってよ」式は学園祭のテーマや、いろいろなイベントでも多用されました。

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)


③「君の膵臓をー」 

 「本屋大賞2016」で2位に輝きました。本屋でタイトルを見たとき、あまりの迫力に「うっ」てなってついつい立ち止まってしまいました。知らない作家でしたが、タイトルが素晴らしかったので購入しました。タイトルだけで人の目を引ける小説は、内容もそれだけしっかり気を使っている証拠だと思い、絶対面白いと確信して買いました。

 「恋愛小説」と紹介されてなければ、人が人を食う「カニバリズム」をテーマにしたホラー小説だと思ってしまう。恋愛小説にしても、膵臓食べたいなんて相当屈折した愛情の持ち主だろう。胃袋でも脳みそでも目玉でもなく、なんで膵臓なんだろう。どんなめちゃくちゃな経緯があったら「君の膵臓食べたい」っていう言葉が出てくるんや。 君の膵臓食べたいっていわれた相手、喜ばんやろ。

 そんなことを気にしながら読み進めました。本のタイトルが物語の中心を貫いていて、しっかり最後は納得できました。

君の膵臓をたべたい


 
 最近「いいな」って思ったタイトルを適当に選びましたが、3作ともデビュー作でした。無名の場合は、タイトルにインパクトを持たせないと、手に取ってもらえないので、かなり気を使って、ものすごく考えに考え抜いたタイトルを付けたんだろうなって思います。
  

3作の教訓は

 3作から学んだことは①「短く、内容を表現」 ②「疑問を持ってもらう」。奇をてらいすぎていてもすべるし、タイトルの疑問が内容をぴったりなら、謎が気になりながら読み進められる。③「センスのある言葉の選択と組み合わせ」。これしかないってくらいの字数や単語の組み合わせで、インパクトがあって頭に残るし、小説のトーンも伝わる。

 踏まえて

 そんなことを考えながら、ブログのタイトル案を友達から募りました。条件は「韻を踏め!」。タイトル案を紹介します。

 
 ①「向かうとこ前人未踏、後ろ見ず、前進しろ、たどり着いた前人未踏、そこに立てるぜ金字塔」 長すぎ。
 ②「世界放浪で候ふ」 僕の案。誰もほめてくれなかったのでボツ。

 ③「団の弾丸世界ツアー」 僕の名前が団なので、パクリっぽいけどインパクトある。

 ④「2016年のダンボール」 村上春樹の「1973年のピンボール」のパロディ。疑問は持ってもらえるけど、疑問だらけ。内容表してない。

 ⑤「肩書を持たない団と、彼の巡礼の年」 同じく村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼 の巡礼の年」のパロディ。巡礼を世界放浪にしたらいいかもって思ったけど、せっかくなので、一から考えたいと思ってしまう。

 ⑥「世界道中、旅の途中」 旅のキーワード入っていてテンポがいい。

 

 結局②と⑥とくっつけてみました。

 

●次回は「旅に持っていきたい本おすすめ」を考えます。